本の紹介や読書日記。作家別一覧は「カテゴリー」からどうぞ。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
オンライン書店ビーケーワン:一八八八切り裂きジャック


 日本から解剖学を学びに来た留学生・柏木薫は奇形児エレファント・マンに興味を持ち、霧のロンドンへ訪れる。そしてスコットランドヤードに勤める日本人鷹原と上流階級の社交界へ出たり、ホワイトチャペルロードの貧民街を歩いたりしてイギリスの文化を探求するうちに、ロンドンを恐怖の底に叩き落とした切り裂きジャック事件にまきこまれる・・・。
 はじめから切り裂きジャックの事件を扱うのではなく、1888年という時代の背景や英国の世界をじっくりと書いています。例えば、当時英国の医学界で注目の的だったエレファント・マンの話(これは映画のフロム・ヘルにもあったような)や階級による生活の違い、大英帝国繁栄の陰にあった貧民窟の話など、その生活の中での事件として切り裂きジャックのことを書いているので物語は壮大なものになっています。また小説の魅力に関しても深く、ディケンズや二葉亭四迷へ、インスパイアされる所も良いです。切り裂きジャック物では島田荘司の本がとても良かったですが、これもオススメ。しかし服部まゆみは知名度が非常に低い。これ以外の作品も非常に奥行きが深い。服部まゆみはイイ。ともかくこれは傑作、だと思う。
スポンサーサイト
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。