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某日。
休日なので早起きして、復刊したシャーリイ・ジャクスンの「丘の屋敷」*を読む。
不思議な体験や心霊体験者が丘の屋敷に集められて、屋敷で起こる奇妙な出来事をさぐるうちに過去にその屋敷で起きた忌まわしい事件が明らかになり・・・。
なんだか幽霊だの心霊だの言っているが、そこは「魔女」とまで言われたシャーリイさんならば、ただの幽霊話なんかではないはず・・・と思って読み始めたら、初っ端から悲しいエレーナがいじめれてる・・・。
シャーリイ・ジャクスンの書く、「第三者の悪意」というのは底知れず怖く、それに巻き込まれるように主人公もだんだん狂っていく。狂気だ!これぞ、幻想だ!こんな作風なのに、育児のドタバタエッセイみたいなのも書いちゃうんだから、まったくこの人は・・・。

昼、プラッと神田古本まつりへ。
やっぱり神保町は古本街だけあって、古本市も規模が違う。なんと1週間もやっているのだ。
1週間、街が古本と古本ハンターでゴチャゴチャになる。なんか一昔前の秋葉原*のようになって、普通に神保町で働いているビジネスマンには迷惑そう、だが俺が神保町のビジネスマンだったら、路上にあふれかえる本が気になって気になって1週間仕事にならない。

そういえば、5000円のエリアーデ*を見つけてワアワア言ったり、時の人になる前の桜庭一樹読書日記をたまたま買って大当たりでその後の読書ジャンルが大いに変わったり、あれからもう1年か~などと考えて歩いていると、どこをどう間違えたのかヴィレッジバンガード前に出る。
あれ?こんなところにあったんだ、ここはひとつ冷やかしてやりましょう。と、入ったとたんムチャクチャ好みのピアノロックが流れていて、虜になる。しかも、なんかディスプレイされてて目の前で売ってる!*
いや、クラシックピアノはダメなんだけど、ジャズピアノは好きで、というかピアノとカホン(ドラムだ、たぶん)のコンビはずるいだろ~やったもん勝ちだろ~。しかも店で流して売るなよ~、とさんざん悩んだ挙句、衝動買いする。

その後、良く行く幻想書店の羊頭書房へ。
フフフ、フフフ、フ、フレドリック・ブラウンがほぼ500円均一。
清水義範の本の中で、フレドリック・ブラウンが出てきて、昔1冊読んだらなかなかのヒットだったからそれ以後いろいろ探している作家なのだが、どこにもない。
SFが本業の人だけど、むしろそれよりミステリ系のほうがおもしろいのだ。
しかし、ぜんぜん復刊されないし、古書店によっては法外な値段がついてるし・・・とあきらめかけていたら奇跡の遭遇。
4冊購入して、カバンがおも~くなったので帰宅。
今回はすずらん通りのブックフェスティバルがやっていなかったので、期間中にまた行きます。




*丘の屋敷
丘の屋敷 (創元推理文庫)
映画「たたり」の原作。クレア・ブルームが出ている古い映画を見たいが・・・レンタル屋になさそう。









*一昔前の秋葉原
今のオタク系ではなくて、電脳系だったころの事です。


*5000円のエリアーデ
エリアーデ幻想小説全集〈第1巻〉1936‐1955
結局、後になって買った。大切に読みすぎて、まだ読み終わってなかったりする。



*ピアノロック
First Contact
→Pia-no-jaC←
という名前のコンビ。打ちつけるようなピアノ!ドラム!ドラムンピアノ!






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某日。
朝起きて、しばらく音楽を聴いて、読書会に出かける。
読書会なるものは初めてで、少し緊張する。
会そのものよりも、開催場所が代官山とかいうところのオシャレさんなカフェで、オシャレさんではない私は、そんな街へ行くと一歩も動けなくなってしまうのだ。

読書会とは、あらかじめ同じ本を読みあって、お茶でもしながらワアワア話し合うというもの。
おぉ~、なんか映画の「ジェインオースティンの読書会」*のようである。

じっさい代官山はファッション系の店やカフェなどが多く、なんかゾロッとした感じの自分がむちゃくちゃ浮いてる・・・。カフェなんて、どこもオープンカフェになっちゃっててものすごく憧れである。そういえば、昔、オープンカフェに憧れるのは田舎モンだとか言われた・・・。でもオープンカフェで昼間から飲むのは、やっぱり至福である。

ちなみに課題本は大西英司の「神はサイコロを振らない」*で、プチSFチックな感動もの・・・らしい。
あらすじは、10年前、フライト中に消息を絶ち行方不明になっていた飛行機YS11が、当時行方不明になっていた乗客を乗せたまま突然現在の羽田空港に帰還する。戸惑いながらも再会を喜ぶ家族たちに降りかかる運命とは。
うーん、SFが苦手な私は、読書会がなかったら絶対読まないだろう本だ。特にこの作品は、実際に起きたSF的な事の解説をしようとしているんだけど、いまいち納得ができないのだ。A+B=Cという形式のSFだとして、AもBも作中には出てきているのだけれど両方ともブラックボックスになってしまっていて、足し合わせるとなぜCになるのかがさっぱりわからない!という感じ。これがミステリだとAもBも日常に根を張るものでなくてはならず、ブラックボックス化することも少ないので、納得することができるのだけど・・・。

などとワアワア言っていたら、今度はSFの難しい話になってよくわからなくなる。そういえば、ぜんぜん作品の良し悪しに触れてなくて、SFとはというような話しかしていなかった!

夜、今はなき白亜書房から出たコーネル・ウールリッチの短編集「踊り子探偵」*を読む。!!!もう感動と鳥肌の嵐である!
読んだこともある短編もちらほらあったので、ふふーんと読んでいたのだが、パルプフィクションの王道を行くような「黒い旋律」でむむっとうなってから「妻がいなくなるとき」でもうページをめくる手が止まらなくなった。一気に読んでしまうほどのド迫力で、次から次へとたたみかけるような場面展開。ウールリッチが得意とする、いなくなった恋人を探し続けてさまようというタイプの初期の作品。最後まで読み終わったら朝になっていたので、ベッドサイドに積んで寝た。










*ジェイン・オースティンの読書会
ジェイン・オースティンの読書会



*神はサイコロを振らない
神はサイコロを振らない (中公文庫)











*踊り子探偵
踊り子探偵―コーネル・ウールリッチ傑作短篇集〈2〉 (コーネル・ウールリッチ傑作短篇集 2)
最初から最後までロマンスの嵐で毛穴が全開するような話です。







某日。
昼間に帰って、寝て、起きたら夕方。
おお、なにもせず1日が終わってしまった!
ということはザラの日々。あぁ、バラの日々。

好きなジャンルは?と聞かれると幻想小説と答えるようになって久しいのですが、実際聞いた方もそんなジャンルを答えられて戸惑うようで、なかなか話が続かないのです。
という私も、幻想小説といってもなかなかうまく説明できない。
「幻想小説?ファンタジーのこと?」
だ、断じて違うのである。ただその違いをいまいち分けにくい。ということで、とりあえずあまたの作品を中心にジャンル分けしてみようと思います。
あ、ちなみに分け方とジャンルの解説は、もうそうれはそれは独断と偏見であるアルヨ。

まずwikiで「幻想小説」を検索すると、「ファンタジー」に飛ばされる・・・。


◆幻想ファンタジー
ファンタジー(fantasy)は幻想的・空想的な要素が特徴的な作品が属するジャンル。

まんまです。舞台としては特に中世ヨーロッパなどが好まれて使われるようです。
ここで使われている幻想は、昔なくなってしまったものやこの世にないものを楽しむ幻想。
現代の日本人が、昭和30年代を懐かしむような懐古の情もファンタジーなのです。
つまり、西岸良平の「三丁目の夕日」*もファンタジーなわけで・・・。

基本的には、上記の「この世にないものを楽しむ幻想」と言うところで、剣と魔法の世界というのが多くを占めるのでしょう。
もちろんこのジャンルの代表作はJ・R・R・トールキン「指輪物語」*


◆幻想ミステリー
ミステリーというジャンルは音楽で言うと「ロック」みたいなもの。
掘り下げていけばハードロックにもなるし、合わせ技でクラシックロック、シンフォニックロック、ジャズロックなど様々なジャンルとの融合が可能です。
ミステリーも同様。ガチガチの本格から、社会派、純文学、ハードボイルドに+ミステリー。
世間はなんと謎に飢えていることか。

で、幻想+ミステリーだと、幻想世界の崩壊や幻想世界の中で起こるミステリー、といった作品が多いようです。ミステリーの醍醐味はやっぱりだます、どんでん返しで驚愕させる事なので幻想との相性も良いみたい。
代表作は、ネタバレになってしまうので詳しくは言えませんが、服部まゆみのある作品を挙げます。
皆川博子も幻想ミステリーですが、これはまた幻想のジャンルが異なるので後述します。


◆幻想怪奇(ホラー)
怪奇がポイントです。怪奇といえば、あの人しかいません。
御大、ラヴクラフト。クトゥルフ神話。
このジャンル、幻想怪奇の大きな特徴は、その幻想が物理的だということ。
この世のものではないものたち。怪物、幽霊、etc...
これも舞台はだいたい、怪奇となりやすい中世やパラレルワールド。
代表作はラヴクラフトの「ラヴクラフト全集」*、ヘンリー・ジェイムズ「ねじの回転」*など。
京極夏彦の作品も入ってくるかもしれません。
あとはレ・ファニュの「吸血鬼カーミラ」*とか・・・。


◆幻想ロマンス
上記の幻想に比べ、ここから幻想というジャンルは一線を引かれます。
ファンタジーや怪奇といった、物理的な幻想に比べ、この幻想ロマンスや後述の幻想耽美は精神的な世界の幻想。
小説のジャンルとしてはもっとも魅力的で浸れるジャンルです。
このジャンルの舞台は、比較的現実社会であることが多いです。
現実社会の中での幻想。夢物語というやつですが、それにロマンが乗じられます。
代表作は佐々木丸美「雪の断章」*やウィリアム・アイリッシュ(コーネル・ウールリッチ)の作品など。
特にウィリアム・アイリッシュはロマンス全開のフルスロットルです。
ちなみに乾くるみの「イニシエーション・ラブ」*もこのジャンルかと。
そう言われると、ピンとくる方も多いのではないでしょうか。


◆幻想耽美
すべての幻想はここに回帰します。
つまり、幻想耽美こそ、幻想の中の幻想なのです。
一般的に私が言う幻想小説とは、幻想耽美のことを指すのです。
幻想的な世界、耽美な世界。それがレトリックとなって、小説の世界観を醸し出す。そのような作品群。
代表作は
皆川博子「聖女の島」*
シャーリイ・ジャクスン「ずっとお城で暮らしてる」*
ミルチャ・エリアーデ「令嬢クリスティナ」*
ナボコフ「ロリータ」*

単純に言うならば、それは妄想です。
しかし、ただの妄想ではない。小説のレトリックにおける、徹底した耽美なのです。


とまあ、いろいろ書きなぐりましたが、私が言いたいのは

「すべての小説は幻想である。」

この一言のみです。
とりあえず私としては、幻想小説とファンタジーはどうにか分けて欲しいなあと思うのですが、なかなか・・・。
幻想小説のジャンル分けが、せめて今のミステリーほど確立されれば、幻想文学が日の目を見る日も近いことでしょう。
それまではともに幻想を楽しみましょう。ともに世を呪いましょう。





























*三丁目の夕日
三丁目の夕日傑作集 (その1) (ビッグコミックススペシャル)
*指輪物語
新版 指輪物語〈1〉旅の仲間 上1 (評論社文庫)





















*ラヴクラフト全集
ラヴクラフト全集 (1) (創元推理文庫 (523‐1))
*ねじの回転
ねじの回転 -心霊小説傑作選- (創元SF文庫)
*吸血鬼カーミラ
吸血鬼カーミラ (子どものための世界文学の森)
*雪の断章
雪の断章 (佐々木丸美コレクション)
*イニシエーション・ラブ
イニシエーション・ラブ (文春文庫 い 66-1)





*聖女の島
聖女の島 (講談社ノベルス ミB- 4 綾辻・有栖川復刊セレクション)
*ずっとお城で暮らしてる
ずっとお城で暮らしてる (創元推理文庫 F シ 5-2)
*令嬢クリスティナ
エリアーデ幻想小説全集〈第1巻〉1936‐1955
*ロリータ
ロリータ (新潮文庫)




噺まみれ 三楽亭仙朝噺まみれ 三楽亭仙朝
(2008/07/18)
和田 はつ子

商品詳細を見る
★★★☆☆
落語家が主人公のミステリー時代小説 師匠の幽霊が出るという噂を耳にした頃、師匠の家の蔵に、謎の人物が間借りを始めた。 そのふたつの出来事に秘められた陰謀を仙朝は暴く。仙朝の恋情と、 一連の事件の真相が次第に明らかになる、ミステリー時代小説!

 三題噺風に言うとお題は、ミステリ・落語・時代小説で噺家が活躍するミステリ風味小説。主人公の仙朝のモデルは、言わずもがな圓朝なんでしょう。ミステリとしてはそれほどでもないけど、落語の人情噺のような雰囲気が好き。芝浜の解釈など、なんで今までそこに気がつかなかったんだろう。落語好きなら間違いなく楽しめる。
 しかし、噺まみれ・・・・って。なんかまみれてて汚い感じもする。


某日。
ついに、一箱古本市当日である。
いままでちまちまと準備のようなことをしていたのだが、肝心の本の箱詰めや釣り銭準備や自分の出す本の準備や看板の作成やカッターやガムテープや封筒やらのこまごまとした道具の準備をしていなかった!
というより、今まで何してたんだ?おれ。

というわけで、古本市前日の夜勤明けの昼間から夜までの間でどりゃぁぁあ、と一気に片付ける。
その間に、プリンタがVista対応になってなくて、Vista用ドライバ入れたら動いたけどインクがなくて、インク入れたら、実はインクヘッドが壊れててカラー印刷ができないので、ネットカフェに行ってカラー印刷しようとしたら1枚50円も取られて、出てきた印刷物は印刷位置がずれてて結局使えなくて、なんだこりゃー、なんていうドタバタを繰り広げ・・・。
つ、疲れた!

当日朝、カロリーメイト+ポカリスエットの大塚製薬コンビネーション*をいただいた後、本がカチカチに詰まった段ボールを両手で持ち、手提げを抱え、リュックを背負って、武装してハングライダーに乗る人のようになる。なんかモッサリである。

古本市会場の光源寺までタクシーで乗りつけ(このタクシーの運転手が遠くからゴテゴテ装備して歩いてくる私を見てか見ずか、常にニヤニヤしていた。なにかおかしかったんだろうか・・・)、他の店主の方々やお手伝いの方々と合流。箱に本を並べるレイアウトを決めたりして、実際販売開始になってからはもう時間がたつのがあっという間。ちなみに一番最初に売れたのは式場隆三郎『二笑亭綺譚』*でした。

お昼ぐらいから、売り場の店主をこのまま放っておくと次々と本を買って破産しそうなH氏におまかせして、他の店をプラプラ冷やかし。と、むむっ!あれは談志師匠(の独演会ビデオ)じゃないか!でもビデオである。うちにはビデオデッキがなくDVDならなあ、などと思い明らかにビデオのパッケージを手にとって、店主の人に「これDVDですか?」とか聞いたら、したり顔の店主が奥からごそごそと怪しいCDを取り出す。

主「ぬっふっふ、旦那。こんなのありますぜぇ」
私「・・・!こ、これは快楽亭ブラックの禁演落語集!」
主「今ならお安くしときますぜ」
私「ぬふふ。そちもわるよのう」
主「ぐはははははは」

というようなアイコンタクトをコンマ1秒の間に行い、即座に購入する。
アンダーグラウンド落語の教祖とも言うべきブラックのCDが馬鹿安で買えた。これぞ運命の出会いである。

うろうろして戻ってくると、店のお手伝いが増えてる。10人いや、11人いる!*
な、なんだろう。古本市なんだけれど、立食パーティ会場のような状態になってる。でもやっぱり、人は人に引き寄せられるもので、お客さんも次々とやって来てお祭りだ!これぞ、お祭りだー!

わあわあやりながら古本市終了後、売れ残った本をまとめてダンボールに詰め込んだら、朝持ってきた時より、重い。なんとか担いで持って帰ったものの、腕がぷるぷるになる。昔、古畑任三郎のDJおたかさん(桃井かおり)のエピソードで、全力疾走した後で腕が震えて、レコードの針を落とせないシーンがあったけれど、それを思い出し、急にどっと疲れる。

夜、売れ残った岩井志麻子の「ぼっけえ・きょうてえ」を読む。表紙の甲斐庄楠音作「横櫛」に描かれた女性が、なんとなく岩井志麻子にそっくり*で、表紙から「読め~、読め~」と怨念が送られているようで、小説よりも怖くなる。


















*大塚製薬~
病気の時、ちょっとした栄養補給にばっちり。実は2つとも大塚さんである。





*二笑亭綺譚
定本 二笑亭綺譚 (ちくま文庫)
建築執念の塊みたいな本。深い穴。














*11人いる!
11人いる! (小学館文庫)
もう記憶に残ってないほど昔に読んだ本。






*岩井志麻子そっくり
てことは怖い影のある美しい女ってことですね、志麻子さん。きょうてえきょうてえ。
ぼっけえ、きょうてえ (角川ホラー文庫)





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